新型コロナ資金繰り融資支援内容一覧【無利子・無保証で借りられます】
コロナの影響でカプセルホテルや老舗旅館、そして多くの飲食店も破産に追い込まれている状況です。
助成金や給付金が利用できると言ってもやはりそれだけでは足りないのも事実。
けれど融資ってどんなのがあるの?そう思っている経営者も少なくはないと思います。
まずはこの記事で下記の3つをご紹介します
- 融資制度の種類
- 融資の相談場所
- それぞれのメリット
25歳の時に0から起業して、数々の事業に挑戦し今では会社を2社経営するまでになったYAMAPがわかりやすく解説してきます。
助成金や給付金についてはこちらをご覧ください
【経営者に告ぐ】新型コロナウイルスの休業補償はない!助成金や給付金を使え【徹底解説】
- 目次 -
新型コロナ資金繰り融資支援内容一覧

政府系金融機関
相談窓口は日本政策金融公庫
条件 | 対象 | 融資制度 | 概要 |
---|---|---|---|
売上高5% 以上減少 |
全ての事業者 | 新型コロナウイルス 感染症特別貸付 |
• 中小事業3億円、国民事業0.6億円(別枠) • 設備20年、運転15年 うち据置5年以内 •融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げ。 据置期間は最長5年 |
小規模事業者 | 新型コロナウイルス対策 マル経融資(拡充) |
• 1000万円(別枠) • 設備10年(うち据置4年) 運転7年(うち据置3年)以内 •融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げ。 据置期間は最長5年 |
|
生活衛生関係営業 ①(旅館、飲食、理美容店等) |
生活衛生 新型コロナウイルス 感染症特別貸付 |
• 6000万円(別枠) • 設備20年、運転15年 うち据置5年以内 (運転資金は振興計画認定組合の組合員の方のみ) •融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げ。 据置期間は最長5年 |
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生活衛生関係営業 ②(旅館、飲食、理美容店等) |
新型コロナウイルス 対策衛経(拡充) |
• 1000万円(別枠) • 設備10年(うち据置4年) 運転7年(うち据置3年)以内 •融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げ。 据置期間は最長5年 |
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売上高10% 以上減少 |
生活衛生関係営業 (旅館、飲食、喫茶) |
衛生環境激変対策 特別貸付 |
• 1000万円(別枠) • 運転7年、うち据置2年以内 |
減少幅に 関係なく |
セーフティーネット貸付 | • 中小事業7.2億円、国民事業0.48億円 • 設備15年、運転8年 うち据置3年以内 |
相談窓口は商工組合中央金庫・商工会議所等
条件 | 対象 | 融資制度 | 概要 |
---|---|---|---|
売上高5%以上減少 | 全事業対象 | 商工中金等による 「危機対応融資」 |
• 3億円(別枠)• 設備20年、運転15年 うち据置5年以内 •融資後の3年間まで0.9%の金利引き下げ。 据置期間は最長5年 |
赤文字の融資制度については追加要件を満たせば、実質無利子・無担保の対象
【利子補給対象上限】
【売上高要件】
日本政策金融公庫 中小事業1億円
国民事業3千万円
商工中金 危機対応融資1億円
〈創業1年1ヶ月以上の場合〉
最近1ヶ月の売上高と、前年または前々年度の同期と比較
〈創業1年1ヶ月未満・店舗等を拡大しているベンチャーもしくはスタートアップなど〉
下記のいずれかで比較します。
- 最近1ヶ月の売上高と過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高の比較
- 最近1ヶ月の売上高と令和元年12月の売上高の比較
- 最近1ヶ月にお売上高と令和元年10月から12月の平均売上高を比較
特別利子補給制度で実質無利子に。無利子融資は最初の3年のみ
テレビなどで無利子融資と話題になっておりますが、無利子融資とは「実質」無利子という意味合いです。政府系金融機関である日本政策金融公庫が行なっている融資制度「新型コロナウイルス感染症特別貸付」(上記の図で言う赤文字の融資制度)と「特別利子補給制度」の2つの利用条件が揃った時に初めて利子がゼロになります。
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」+「特別利子補給制度」=実質無利子
という仕組みとなって今ます。
特別利子補給制度が利用できる人は日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」、「新型コロナ ウイルス対策マル経融資」、商工中金の「危機対応融資」を利用する中小企業のうち以下の要件を満たす方です
- 個人事業主(事業性のあるフリーランス含み、小規模に限る)利用要件なし
- 小規模事業者(法人事業者) 利用要件 売上高▲15%減少
- 中小企業者(上記➀➁を除く事業者) 利用要件 売上高▲20%減少
※小規模要件
・製造業、建設業、運輸業、その他業種は従業員20名以下
・卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下
利子補給の期間は借り入れから3年間のみとなっています。
平常時の基準金利は2.5%前後となっています。
※日本政策金融公庫などの政府系金融機関では、通常では創業融資(事業の立ち上げ時)以外無担保では融資を受けることができません。今回のコロナがどれだけ特別かわかりますよね。
中規模以上の事業者は【商工組合中央金庫】がおすすめ

日本政策金融公庫だけでなく商工組合中央中金でも無利子の融資が始まっています。
日本政策金融公庫は教育ローンなど「個人」にも融資を行っていますが、商工組合中央金庫は中小企業専門に融資を行っています。
そのため、今回の無利子融資を見ても、日本政策金融公庫の融資限度額が6千万なのに対し、商工組合中央金庫は3億円となっています。
担保も「危機対応融資」を利用すれば無担保で融資を受けられます。
日本政策金融公庫と同様、申し込みには申込書類と添付書類が必要です。
申込についてはこちらを参照ください
日本政策金融公庫を利用するメリット3つ

- 民間系金融機関で審査落ちしている方でも借りられる
- 事業のアドバイスがもらえる
- リスケも可能
メリット1)民間系金融機関で審査落ちしている方でも借りられる
日本政策金融公庫は政府が100%出資して運営をしており、その理念は中小企業の手助けです。
基本理念にはこう記載されています
基本理念
(出典:基本理念及び経営方針/日本政策金融公庫)
(1)政策金融の的確な実施 国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。
事業計画や目的がしっかりしていれば、他の金融機関で審査に落ちた方でも、十分に、融資を受けられる可能性があります。
実際に私も、銀行で融資を申し込んだ際200万しか融資できないと言われましたが、政策金融公庫に審査を依頼したらその10倍の2000万円の融資を受けることができました。
メリット2)事業のアドバイスがもらえる
日本政策金融公庫では、担当者がつき担当者が親身になって融資や事業についてアドバイスをしてくれます。
これは日本政策金融公庫の「経営方針」によるものです。。
基本理念
(出典:基本理念及び経営方針/日本政策金融公庫)
(1)政策金融の的確な実施 国の政策の下、民間金融機関の補完を旨としつつ、社会のニーズに対応して、種々の手法により、政策金融を機動的に実施する。
専属の税理士や中小企業診断士も在籍しており、様々な方向からあなたの経営についてアドバイスを無料で行ってくれます。
メリット3)リスケも可能
日本政策金融公庫では返済の減額交渉もできるんです。
返済の減額を依頼することはリスケ交渉というのですが、日本政策金融公庫では、柔軟に対応してくれ、「減額申請」も認めております。そのため、支払うべき金額を圧縮して返済期間を延長してくれます。
資金繰りが厳しい場合は「減額申請」を行い、経営が回復したタイミングで通常の返済に切り替えることが可能なのです。
民間金融機関

相談窓口はお近くの民間金融機関、各信用保証協会
条件 | 対象 | 融資制度 | 概要 |
売上高5%以上減少 | 指定738業種 | セーフティーネット5号 | • 借入債務の80%を信用保証協会が保証 • 一般保証とは別枠で2.8億円保証 • 要件を満たせば保証料・金利ゼロの対象 |
売上高15%以上減少 | 全ての事業者 | 危機関連保証 | • 借入債務の100%を信用保証協会が保証 ・セーフティーネット保証とは別枠で2.8億円保証 • 保証料・金利ゼロの対象 |
売上高20%以上減少 | 全ての事業者 | セーフティーネット4号 | • 借入債務の100%を信用保証協会が保証 •一般保証とは別枠で2.8億円保証 • 保証料・金利ゼロの対象 |
【売上高要件】
〈創業1年1ヶ月以上の場合〉
最近1ヶ月の売上高と、前年同月を比較 + その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高と前年同期を比較
〈創業1年1ヶ月未満・店舗等を拡大しているベンチャーもしくはスタートアップなど〉
下記のいずれかで比較します。
- 最近1ヶ月の売上高と過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高の比較
- 最近1ヶ月の売上高と令和元年12月の売上高の比較、その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高と令和元年12月の売上高の3倍を比較
- 最近1ヶ月にお売上高と令和元年10月から12月の平均売上高を比較、その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高と令和元年10〜12月の3ヶ月を比較
すでに返済がある人はセーフティーネットを利用すべき

もともといすでに融資を受けていて、コロナの影響で返済が困難、もしくは返済が完全にできないというかたは、政府系金融機関の無利子、無担保融資制度を使うのではなくて、セーフティーネットを使った方がいいです。
上記の政府系金融機関にも同じ名前のセーフティーネット貸付というものがありますが、全くの別物です。
セーフティーネット保証(民関金融機関)とセーフティーネット貸付(政府系金融機関)
セーフティーネット保証 | セーフティーネット貸付 | |
---|---|---|
内容 | ・経営や返済に困っている事業者の代わりに 信用保証協会が一括返済してくれる ・すでに融資を受けていても、別枠で融資を受けることが可能 |
・売上高が5%以上減少している時に 融資が受けられる |
実施機関 | 信用保証協会 | 日本政策金融公庫 |
金利 | 1%程度 | 2,5%程度 |
返済機関 | 最長10年程度 | 設備資金(最長15年)運転資金(最長8年) |
セーフティーネット保証とは「融資」の一種ですが、新たな貸付という部類ではなくて、今現在の借入に対して困っているかた向けという方向性が強いものになります。
セーフティーネット保証のメリット2つ
- 借入金を返済できないとき代わりに返済してくれて遅延金を払わずに済む
- セーフティーネット保証以外にも別枠で融資を受けることが可能
- 借入金を返済できないとき代わりに返済してくれて遅延金を払わずに済む
セーフティーネット保証を受けた場合、信用保証協会が保証人になり、あなたが融資を受けているお金を代わりに返済してくれます。これを代位弁済と言います。
そのことにより、返済できなかった時に、延滞損害金を支払わなくてよくなるのです
例えば
飲食店を経営しているAさん
銀行に利息2.5%で融資を受けた残債が2000万円残っています
遅延損害金は20%。
コロナの影響で1ヶ月(30日間)返済が遅れてしまったとします。
その時の延滞損害金は
2000万円×0.2÷365×30日=約32万8767円
延滞損害金だけで約33万円もの利息が取られてしまいます。
セーフティネット保証を受けることができれば、信用保証協会が銀行との間に入ってくれ保証人になってくれます。

コロナの影響で支払いが滞ってしまい、利息だけが雪だるま式に増えてしまう事を防いでくれます。
セーフティーネット保証以外にも別枠で融資を受けることが可能
通常、法人でも個人でもお金を借りるときは「融資限度額」というものがあります。その「融資限度額」のことを「枠」と表現しています。
今回政府が発表している、コロナ支援制度のイメージ図を見てみましょう

コロナの影響がない通常時の場合だと、融資限度額は最高で一般保証枠の2.8億円になります。
※融資の審査(事業計画書や経営者の返済履歴など)で融資額は決まります。
どんなに頑張っても一般保証枠2.8億円しか借りることができないということです。
しかしながら、今回は緊急事態なので、それにプラスして2つの枠が設けられました。(限度額がプラスされた)
セーフティーネット(略してSN)保証枠2.8億円と危機関連保証枠2.8億円の合計5.6億円もの保証枠が増えたのです。条件を満たす事業者は一般枠と合計で8.4億円もの融資が望めるということです。
このことから、もともと限度枠いっぱい信用保証を受けているかたでも、それは「一般保証枠」としてですので、また別枠で融資を受けることが可能なのです。
※危機関連保証枠はこの保証枠が制定されてから初めての発動となります。それぐらいコロナは経済に大打撃を与えているのです。
もっとセーフティーネット保証について、申し込み方法や条件を詳しく知りたいという方はこちらをご参照ください
経営相談窓口が開設されました。
新型コロナウイルスの影響により破産する会社が増える中、国は「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」を開設しました。
- 中小企業関連団体
- 支援機関
- 政府系金融機関
など1050拠点で経営の相談が可能になりました。
具体的に記載すると、日本政策金融公庫や商工会議所などで相談ができます。このページを見てもどの融資制度が自分の会社に適用できるのかわからない場合は土日も対応していますので、まず資金繰りに困った時には相談をしてみることがおすすめです。
あなたにあった融資制度をご紹介してくれます。
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